さて、一言で下痢といっても、症状はさまざま。本当の「エジ下痢」と私たちが呼んでいるものは、まず胃腸がピリピリ、シクシク痛み出し、数分おきにトイレに駆け込む（最後にはトイレから出られない）、便が水状になる状態です。さらに、ひどい吐き気と熱が出てくる、地獄の苦しみです。

日本の薬ではまず直りません（抗生物質なら効きますが、市販の下痢止めではまず無理）。軽いうちならエジプトの薬局で買える「エントシード」が効きましたが、吐いて弱った胃に悪いのと、重傷の場合は効果なし。いちばんは、お医者さんの注射と薬。ひと晩は苦しさが残りますが、１日で復活できました。

最近では、2001年9月の５大オアシスツアーのときにこれにかかりました。原因を考えると、暑さと疲労、そして食べ物です。食べ物に関しては、ふだんから基本的にまったく気にせず、その辺のお店で買い食いしていますし、生ジュースも、水道水（もちろん危なそうなところでは飲みませんが）も平気で口に入れています。あまり気にすると旅がつまらなくなりますし、実際、それほど危ないとは考えていません。

ただ、この時は、暑さと疲労で食欲がなく、食べやすいという理由でスープを頼んだのです。出てきたのは、肉と野菜のスープ。塩・コショウ味でとても飲みやすく、おいしかったのですが、時間が経ってビックリ。飲み残したスープのカップを除くと、肉の脂が白く１センチ以上の固まりになっている。つまり、私の胃壁もこれと同じ状態。トマトスープは安全だと思いますが、肉で出汁をとったスープは危険です。

もう１つの下痢経験は、単純な食アタリです。これは、原因がはっきりしています。紅海や地中海に行くと、必ずシーフード料理が食べたくなります。チキンやコシャリに飽きた頃なので、とても食欲が刺激されます。けれど、エビ（ブラックタイガーサイズのやつ、小さいのは問題なしかも）、それもグリルで食べるのだけはおすすめできません。見た目、火が通っていても、菌が残っているようです。私だけでなく、エビを食べた人間がみんな翌朝下痢をしました。また、１度だけでなく、何度かあたっています（懲りてない）。ただ、症状は軽かったので、１日で復活できましたが。エジ下痢と違って、普通の日本の薬も効きますしね。

何十回エジプトに行っても、いつも下痢をする私。それでも、食べ物を制限しようとかは考えていません。最大の原因は、疲労と暴飲暴食（水分の取りすぎも含めて）だと思っているからです。それとエジ下痢になったら、我慢をせずに、即、お医者さんというのも発見できましたし。暑い国だけに「ビールがうまい！」というのも、お腹にはよくないのかもしれません。（Nadia）